健康になるためには腎臓をみることが必要.尿アルブミン検査の重要性

 近年では慢性腎臓病を患っている方が数多くいます。腎機能の悪化は人工透析だけでなく心疾患、脳神経疾患への悪化とその影響は数えきれません。本日は腎臓悪化についてお話します。

腎臓は「体内」を解毒する

 腎臓の役割については、以前記事にした「疲れがとれないあなたは腎臓が疲れてる⁉腎臓から健康を作る方法」をご参照ください。今回はより深く腎臓のリスク,予防方法をお伝えします.

 人のカラダの中には細菌やウイルスが入ることで病気にならないよう構成されています。口から胃、腸を通って肛門までを一般的に消化器あるいは消化管と呼びますが、竹輪をイメージするとわかるように消化管は外部の環境と接しており「体外」に分類されます。

 「体外」に接している消化管は細菌やウイルスが体内に侵入してこないようなシステムが備わっています。胃では強い酸性により細菌を殺し、腸などは無数の腸内細菌により体内への侵入を防いでいます。また不要なものは便として排出されます.

では、「体内」で発生した有害な毒素はどうするのでしょうか。

 答えは腎臓による解毒して尿として排出することでカラダを正常に保つようにしています。体内での毒に対して腎臓は必要不可欠なのです。この腎機能による解毒が行われないと体内に古くなったたんぱく質が排出できずに尿毒症となりカラダを悪くしてしまいます.

 先ほども述べましたがカラダの外では不要なものは体内に侵入しないよう最終的には便として排出することでカラダを守っています.しかし体内で発生した毒に対しては消化器では対処できません.体内での毒に対しては腎臓による解毒作用が必要なのです.ですが現代の人はこの腎臓の解毒作用が機能していない方が多くいます.

現代は腎臓が悪化している!?

 腎臓の機能低下の原因は糖尿病,高血圧などによる血流障害が挙げれます

 高血圧は血液の通り道である血管が狭くなり血流不良が起こります.糖尿病は血液をどろどろにするため血の巡りを悪くします.血流障害は様々な病気を進行させますが,とりわけ腎臓へ向かう血管は細いためその影響は大きいのです.腎臓はさらに血圧調整にも関与しているため高血圧だと腎臓への負担も大きくなります.糖尿病に関しては3大合併症の一つで糖尿病性腎症というくらい腎臓を悪化する要因となってくるのです.

 またプロテインを必要以上に摂ることも腎機能悪化する要因となります.食事から必要なたんぱく質を摂取する分には体内に過剰にアミノ酸が溜まることもないので大丈夫です.しかしプロテインによりアミノ酸を大量に摂取し必要以上に多く体内にアミノ酸がある場合は腎臓により尿素窒素として体外に排出しなければなりません.こうした腎臓の負担が腎機能悪化の引き金となるのです.

早期発見のための検査

 現代の日本人はこうした腎機能を悪化する要因に溢れています.そのため腎機能が悪化していないか確認する必要があります.

 方法の一つとしては健康診断でも使用している血清クレアチニンでの判断です.クレアチニンとは筋肉を動かすためのエネルギーを使った後に出てくる老廃物の一つです。腎機能が悪化した場合この老廃物が尿として体外に排出することができず,血液中に増加してしまうため,腎機能の悪化をみる一つの指標となります.

 またeGFR(推定糸球体濾過量)も確認が必要かと思います.これは推定される腎機能です.過去の膨大な検査結果の集積から年齢,性別の要素をもとに腎機能を推し量っているものです.

 さらに尿アルブミンを検査することも必要です.アルブミンとはたんぱく質の成分の一つです.腎機能が悪化した場合体内に必要なたんぱく質も尿として漏れ出てしまい尿アルブミンの値も増加します.またこの数値は腎機能が悪化した初期の段階から変化するため腎機能が悪化しているかみる場合はまずはこちらからみることが良いかもしれません.

 まとめ

 腎臓は沈黙の臓器という言葉の通り,深刻なほど悪化しない限り自覚的な症状が乏しい臓器です.しかし毎日体内の有害物質を解毒して尿として排出する大切な役割があります.高血圧,糖尿病にならないよう日々生活することに加え,定期的な検査を実施することで早期発見に努めることも大事かと思います.是非参考にしてみてください.

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